【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

オイ車(本キット)と97式中戦車(フジミ、ドラゴン)とを並べてみると…

150t超重戦車 オイ (O-I Super Heavy Tank / finemolds)

【 製作者からのコメント 】

「150t 超重戦車 オイ (オイ車)」について (開発前夜編)

 第1次世界大戦後から1930年代前半にかけての世界的な趨勢として、「多砲塔戦車」の研究と開発が各国で行われるようになりました。
 この「多砲塔戦車」は、多くの砲塔や銃塔で敵を制圧して突き進むという陸上軍艦の如き役割を想定したもので、巨大で重厚な見た目のインパクトの強さから、戦場において雌雄を決する超兵器になるものと思われていました。

 日本陸軍では1935年に、主砲塔の他、前部に副砲塔、後部に銃塔を装備した多砲塔戦車「95式重戦車」を制式化しますが、当時の日本陸軍は予算の関係から質よりも量を求めており、これは4両のみの生産に止まり、その後は軽戦車、中戦車の開発に傾倒するようになります。

 もっとも、日本陸軍の「多砲塔戦車」の開発計画はこの後も継続され、1人の高級将校の個人的命令から1940年に100tクラスの多砲塔式の超重戦車の試作車(軍の正式な命令ではないので、「100t戦車」という俗称で呼ばれています)が開発されています。しかし、この「100t戦車」は、当時の日本の戦車技術の限界を超えるもので、駆動系や足周りが重量に耐え切れず、戦車として運用できる見込みが立たないまま、以後の開発は中止になってしまいます。
 各国の多砲塔戦車計画が辿った道と同じように、日本の多砲塔戦車の開発も終止符が打たれたかに思われましたが、太平洋戦争が終盤を迎えた1944年という時期にこの計画が再び復活するのです。

【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

オイ車 前方からの全体像

「150t 超重戦車 オイ」について (開発編)

 資料によると、「オイ車」の開発はドイツ軍の超重戦車「マウス」の影響によるものとなっていますが、もちろん「マウス」を参考としたものではなく、超重戦車という点から既存の「100t戦車」をベースに開発が行われたものと思われます。おそらく、徐々に悪化する戦況を鑑みて、起死回生を狙った戦車だったのでしょう。
 外観は、第2次世界大戦前に登場した各国の「多砲塔戦車」のレイアウトをそのまま継承したもので、一見した印象からは、ひ弱な感じがしますが、最大で200mmの装甲厚を備え、スペック上からするとかなり強力な戦車となっています。しかしながら、装甲を厚くした分、重量は120t、一説には140tにも達し、輸送方法や運用上ではかなり問題点を抱えていました。
 この「オイ車」は1944年に開発が始まり、試作車1両が完成、分解して満州方面へと輸送する段階で開発は立ち消えとなり、そのままの状態で終戦を迎えています。
 戦後はスクラップとして処分され、履帯(履板)の1枚が現存するのみとなっています。

【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

1/72スケール同士で比較すると、本当に大きい「超」重戦車であるのが理解できます

「150t 超重戦車 オイ」のキットについて

 歴史の陰に隠れ、謎に包まれていたこの「オイ車」を、ファインモールド社が実車図面を入手し、これまで培った日本陸軍車両への知識と立体化への経験を活かしてキット化したものです。
 この「オイ車」は、試作車1両が完成したという事実は分かっていたものの、武装や性能、車体構造など不明な点が多く、これまで「オイ車」を伝える資料は想像の域を出ないものしかありませんでした。上記の「オイ車」の成り立ちも今までの資料を参考にしたものですので、誤っている部分が多々あるかもしれません。
 このキットにはファインモールド社が入手した「オイ車」の資料を反映した詳しい実車解説書が付属しますので、新たな「オイ車」の全容が掴めるようになり、これで日本の戦車史における重要なピースを一つ埋めることができるでしょう。
 模型だけではなく、資料としても貴重なキットと言えるでしょう。

 キットの内容は、1/72スケールに沿ったディテール表現を施し、パーツ数を抑えた構成で、ミニスケールのキットらしくコレクション性を重視したものとなっています。
 組立てに要する時間は、接着剤の固着時間等を除けば3~4時間程度といったところでしょうか?
 ただ、側面などのパネルラインの彫りが若干浅く、特に砲塔上部の円形の小ハッチはスミ入れが困難なほど繊細です。気になる人は事前にケガキ針等で彫りを深くしておくと良いでしょう。
 なお、製作したキットはテストショット版で組立説明書も手元にありませんでした。製品版では細部が若干変更されていると思いますので、実際に手にって確かめて下さい。

【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

ファーストタッチですからキットパーツのまま素直に製作しています

「150t 超重戦車 オイ」の組立てについて

 実車自体があまり複雑な形状ではなく、車載装備品などが付いていない車両ですので、パーツ数は少なく、順調に組み上がって行きます。
 車体と各砲塔はパネル状のパーツを貼り合わせる箱組みとなっていますが、大きめのダボとダボ穴、そして桁のパーツが付いていますから、歪みなく、カッチリと組むことができます。
 パーツの大半は足周りに集中していて、実車を反映した複雑な構造のため組むのが少々厄介ですが、1組の懸架装置を作製すれば、コツを掴めて簡単に作業を進めて行くことが出来るでしょう。
 ただ、ボギー式の懸架装置の構造ゆえに転輪が浮いた状態になりやすいので、懸架装置を車体に接着した後は、平らな場所に半日程度置いて水平状態をキープしつつ乾燥させます。
 「履帯」は、上下にあたる部分を一つのパーツにまとめた一部連結式履帯となっています。前後の曲線部は1枚ずつ分割されていますが、ミニスケールとしてはかなり大きい履帯パーツになりますので、組立ては難しくありません。
 さすがに、機銃や前照灯などのパーツは細かくなりますから、紛失を防ぐために、パーツを車体へと接着した後にゲート部分やパーティングラインの処理を行うことをお勧めします。

【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

履帯・足回りの製作には少し時間を要しますが、難しいところはありません


【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

後期3色迷彩で塗装し、単調になりがちな完成車体に変化をつけてみました

「150t 超重戦車 オイ」の塗装について

 「オイ車」は試作車ですので、基本的には陸軍カーキ色の単色塗装になるものと思われます。ただ、かなりノッペリした車両ですから、迷彩塗装の方が見栄えがすると思い、3色迷彩で塗装を行いました
 日本戦車の迷彩は、大まかに前期迷と後期迷彩の2つパターンがあり、
  ・ 前期迷彩は、茶色、緑色、土地色
  ・ 後期迷彩は、枯草色、草色、土地色
 の各迷彩色で塗られ、前期迷彩は主にハケ塗り、後期迷彩はスプレー塗装となっていたようです。
 「オイ車」は、1944年に開発された車両ですので、後期迷彩としてみました。

 基本塗装は、タミヤカラーのアクリル塗料を色見本に従って調色したものを使用。
 基本塗装が完了した後に、溶剤で極薄く溶いたフラットホワイトでハイライト吹きを軽く実施。
 その後、エナメル塗料でウォッシング、ドライブラシを行いました。
 試作車両ということから、チッピングは行っていません。
 ツヤ消しクリアーで表面をコートした後、GSIクレオスのMr.ウェザリングカラーで土汚れを付けて仕上げています。

【ファーストタッチ】 150t超重戦車 オイ (安田征策) ~ O-I Super Heavy Tank

オイ車 車体後方から


【 製作概要 】


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