水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

タミヤ製 T-34/76 水溶きアクリル塗装仕上げ 完成状態

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76

【 水溶きアクリル塗装は有効な塗装法なのか? 】

 「Mズ展 2013」の会場にて実演された「ゆるプラ講座 塗装編」で、講師の「ブラスコウ」氏は水で溶いたアクリル塗料での塗装方法を紹介しました。私は解説者として立ち会い、この塗装法で筆ムラが生じない様子を横で見ていたのですが、自分自身でも実際に試してみたくなりました。

 経験ありませんか?塗装をしてもプラスチックに色がのらず成型色が透けてしまったこと、プラスチックの色を隠すために何度も塗り重ねた塗装面が凸凹したものとなってしまったこと。せっかく苦労して組み立てたのに、イメージのように塗装できず製作を中断してしまったこと…。
 これらを回避して、塗装が楽しくなるのが、ブラスコウ氏が提唱する「水溶きアクリル塗装」なのです。

 AFVモデルのライターとして、普段は塗装のほとんどをエアブラシで済ませているのですが、様々な色彩を筆で重ね、筆運びの跡で奥行きのある油絵絵画のタッチを実現してみたいと思ったりする時があります(この筆タッチを活かした油絵画的な手法は「Na.K.」さんがここ数年いろいろと試行錯誤を重ねてチャンレジされています)。
 また、まだエアブラシを購入することができない幼少の時(ベテランモデラーになる私にとって過去エアブラシは非常に高価で手の届かないものでした)、筆で塗装するとどうにも上手くいかず、完成時に充分な満足感を得ることができなかったことを思い出し、もし、この「水溶きアクリル塗装」がプラモデルを始めて間もないビギナーの方々でも手軽に実現できる塗装方法ならば、プラモデルはもっと楽しく、製作意欲をかきたてる助力となると思い、ブラスコウ氏の提案を自ら検証してみようと思ったわけです。

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

まずはサクっと組み立てます、ディテールアップなどはしていません、キットのまま

【 「T-34/76」を水溶きアクリル塗装で塗装してみる 】

 「ゆるプラ講座」に合わせて同じキットを使用、タミヤの「T-34/76」を題材に、タミヤのアクリル塗料「フラットグリーン (XF-5)」で基本塗装を行っています。
 キットの組み立てが完了した状態から塗装を開始、サーフェイサーを吹かずにそのままの状態から始めています。
 この「T-34/76」の成型色はかなり濃いダークグリーンとなっていますが、予備燃料タンクなどの接合部分にはパテ埋めの箇所が残り、その部分はライトグレーが残った状態のまま。ライター仕事の際は塗装時に下地による色の変化を受けにくくするため、グレーのサーフェイサーで表面を均一にしてから基本塗装を行うのですが、今回はできるだけ工程数を減らし手軽にプラモを作る方法へのアプローチですので、あえて省いています。

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必要とするのはタミヤ アクリル塗料と筆、そして若干の水です

 塗装作業自体は、「ゆるプラ講座」時のように大きめの筆で行い、筆ムラを意識しないかなり粗めの筆さばきでバッサバッサと塗っていきます。
 最初の1回目の塗装では、塗料が部分的に付いたような状態で全体的に塗料の濃淡によるムラが発生している状況、パテ埋めの部分もライトグレーが透けて見えています。この時点では「このままで大丈夫か?」と少し不安になります。

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

1回目の塗装状態、このまま塗り重ねても大丈夫か?って感じなのですが…

 「ブラスコウ」氏は2回、3回と塗り重ねることがコツと言っていましたので、このまま続いて2回目の塗装に入ります。
 2回目の塗装の結果、塗料の濃淡は感じなくなり、パテ埋めの部分も目立たなくなってきます。
 仕上げとして3回目の塗装を実施、これによりパテ埋めの部分も分からなくなり、塗装面自体は通常の筆塗りとは全く異なるフラットな状態なります。
 うん、なるほど。「水溶きアクリル塗装」使えます。
 出来上がった塗装面は、幼少の頃にがっくりとなった凸凹に仕上がった塗装面とはかけ離れた全くの別モノ!これなら小学生ぐらいの子供でもかなり見栄えの良い塗装ができるのではないでしょうか?
 デカールを貼った後にツヤを整えるために全体にツヤ消しスプレーを吹きましたが、これによりエアブラシ塗装とほとんど変わらない平滑な塗装面となりました。

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

筆運びはあまり気にかけずにバシバシ塗り重ねてドライヤー乾燥

【 「水溶きアクリル塗装」法のコツ 】

 ゆるプラ講座でも使用していましたが、強制乾燥用のドライヤーは作業の必需品です。
 この塗装の際に気を付けなければならないのが表面部分に塗料の固まりができないように防ぐことです。この固まりをそのまま放置するとその部分はムラとなってしまいます。自然乾燥だと、その固まりを発見できずに乾燥を許してしまう可能性が高くなるようです。
 ドライヤーの乾燥により塗料の固まり(水溜りのようになる)を発見した際にはテッシュペーパーなどで吸い取ります。この作業自体は簡単で、吸い取った箇所は表面にもう一度塗料を塗ると目立たなくなります。
 また、奥まった部分の塗料の固まり(溜まり)は目立たなくなりますから、それほど気にすることはありません。

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

3回目の塗装になるとほぼ均一でツヤ消し状態の塗装面に仕上がります

【 「水溶きアクリル塗装」の長所 】

 ・ 最大の長所は筆ムラのない平滑な塗装面が簡単にできること → ドライヤー&ティッシュで凸凹が生じません
 ・ シンナーの刺激臭がない(ほぼ無臭に近い)状態で塗装ができる → リビングテーブルで塗装をしても怒られない!
 ・ 完全ツヤ消しの状態となり、塗り重ねてもツヤが生じない → ドライヤー使用が前提
 ・ いままで行っていた筆塗りよりも極めて短時間で塗装ができる → ドライヤー使用が前提
 ・ 塗料の隠ぺい力が意外にも強く、下地の影響を受けにくい → ホワイトやイエロー、レッドなどは未検証、ちょっと難しいかもしれません
 ・ タミヤ「アクリル塗料」と「水」「筆」のみで塗装が可能なので、塗装に掛かる費用を抑えることができる

【 「水溶きアクリル塗装で」の短所 】

 ・ 基本的に単色塗装しかできない…と思います (また時間がある時に「3色迷彩」などに挑戦してみようと思っています)
 ・ エアブラシ塗装よりは塗料の使用量が多くなります (といっても使用量にたいした差はありません)
 ・ 「カーモデル」や「バイクモデル」でのツヤピカ塗装には向いていない → 缶スプレーで車体などを塗装する方が良い

【 「汚し塗装」について 】

 「水溶きアクリル塗装」は、あくまで基本塗装として行っていますので、この後エナメル塗料で細部の塗り分け、エナメルや油絵の具でチッピング及び汚し塗装をしています。
 フィギュアは私自信がいつもしているとおりの方法で、エナメル、油絵の具混用で塗装しています。

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

汚し塗装やチッピングを施すとこんな感じ、フィギュアはいつもの手法で塗装しています

【 最後に 】

 今回は「ゆるプラ!講座」に合わせて「フラットグリーン (XF-5)」を使用してみましたが、私流の塗装としては少し色調が暗めとなってしまいました。
 これはキットのプラ素材がかなり暗めの色であることと、サーフェイーサーによる下地処理をしていないことが影響していると思います
 基本塗装で塗るカラーをもっと明るめの色へと変更したり、下地にライトグレー等の明るい色を塗ってから基本塗装に入ることで、より明るいトーンでの基本塗装となり、その後、汚し塗装でトーンを下げるとメリハリのついた仕上げを実現できるのではないかと思います。

 色々と述べて参りましたが、これからAFVモデルを作成しようと思っている方、エアブラシ環境で塗装できない方、もちろんAFV以外、ガンダムなどのキャラクターモデル製作において、「水溶きアクリル塗装」は試す価値のある塗装方法だと思います。エムズの店長は「この方法を早く知っていたら、子供の頃のプラモデル製作はもっと楽しいものになっていただろうなぁ!」と悔しがっている始末です。
 まぁ、論より証拠です。ぜひ一度お試し下さい!

 

水溶きアクリル塗装を検証してみる ~ T34/76 (安田征策)の画像

タミヤ製 T-34/76 水溶きアクリル塗装仕上げ 完成状態 背部から


【 製作概要 】

  • スケール : 1/35スケール
  • 製作時間(期間) : ほぼ半日
  • 使用キット


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